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2021/11/18
毎月ツヴィリングのナイフをフィーチャーしてお届けする「ナイフ・オブ・ザ・マンス」。今月は「ダマスカス包丁」をご紹介します。
ブレード(刃身)に、神秘的とも言える独特の美しい紋様が浮かぶことから人気の「ダマスカス包丁」を見たことはありますか?紋様を見ると、まるで波のようだったり、木目を彷彿とさせるようなデザインだったり、、、思わず見惚れてしまうようなこれらの紋様は「ダマスカス紋様」と呼ばれています。今月は「ダマスカス」の由来や魅力についてお届けします。
「ダマスカス鋼(別名:ウーツ鋼)」は、古代インドで作られた、まだら模様が特徴の鋼材。紀元前より優れた鋼を生産してきたインドの中でも、世界遺産クトゥブ・ミナールにある「デリーの柱」は、このダマスカス鋼で作られた鉄柱であると言われており、1600年以上たった現代でも錆びていないことから、ダマスカス鋼は優れた鉄鋼材として広く知られるようになりました。
錆びにくさだけではなく、強靭さや切れ味の良さと共に、優美な模様が特徴のウーツ鋼が、シリアの首都ダマスカスで製造されていた刀剣などに用いられたことから、鋼材を「ダマスカス鋼」、また紋様を「ダマスカス紋様」と呼ばれるようになったと言われています。
こうした美しい紋様をブレードに表現した「ダマスカス包丁」。硬い鋼材を芯にし、異なる種類の鋼材を重ね合わせる高度な技法により、ダマスカス鋼を再現したもの。高い技術を持つ日本で誕生しました。
ブレード(刃身)に浮かび上がってくる紋様は、最大133層にもなる*鋼材の層数と模様により特徴が出てくるため、画一的な模様が出来上がることはなく、包丁一本一本に個性を持って生まれてくるもの。熟練した刃物職人が持つ特殊技術が必要となり、大量生産が難しいこと、また、見た目の美しさ、職人によって、一本一本丁寧に刃付けされることで生まれる切れ味の良さ、幾層にも鋼材を重ねることで生まれる耐久性もあいまって、ハイグレードな製品としてのポジションを獲得するようになりました。
*ツヴィリングブランドから販売されるナイフに限ります。
古くから刃物の街として知られる、ツヴィリング 岐阜県・関工場で生まれる「ダマスカス包丁」。職人の手によって生み出される個性豊かなデザインは、包丁の切れ味などと共に常に注目を集めるポイント!自分だけの特別な包丁を見つけたいという方に、ツヴィリングが誇る、個性豊かなダマスカス包丁をピックアップしてご紹介します。
ブレードの中心を境目に、左右から2種類の鋼材を交互に66層重ね合わせることで、133層も重ねて作られた「ツイン セルマックス MD67」。優れた職人の技術により生み出された、波を彷彿させるようなラインは、一つとして同じものがないそのナイフだけの個性に。
コア(芯)材にはツヴィリングナイフの中で最高硬度を誇る”MC66 パウダースチール”を採用することで、切れ味の良さとその持続を実現。美しく上品な印象の赤いアーチ型ハンドル、ミラー仕上げに加工されたハンドルのボルスターとエンドキャップの美しさもあいまって、ツヴィリングの最高級モデルと呼ぶに相応しいナイフです。
101層のフラワーダマスカス紋様は、ひとつひとつが異なる模様で織りなす鮮やかなデザインが特徴。また、カバ材をハンドルに使用することで、ダマスカス紋様同様、異なる木目とあいまって、唯一無二のナイフが誕生しました。
世界最高峰のナイフビルダーとして名高いボブ・クレイマー氏オリジナルの「シェブロン ダマスカス」。中世より西洋の紋章にも見られる杉綾紋様を表現した101層のダマスカス紋様は、このシリーズを一目で印象付けるシンポル的な存在。
職人が丁寧に手作業で研磨したハンドルは、まるで手に吸い付くような握り心地が特徴。究極の切れ味を誇るボブ・クレーマー氏の刃付けを見事に再現した鋭利な切り口で、食材を押しつぶすことなく、料理を美しく仕上げます。
優れた品質性と、まるでオーラを発しているかのような凛とした佇まいからも人気のツヴィリングの「ダマスカス包丁」。一本一本が異なる個性豊かなナイフをぜひお手にとってみてくださいませ。