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2018/09/14
ピコ・ココットが誕生して今年で40周年。その歴史をたどる「ストウブ ヒストリカルココット展」をスタートします。大阪「なんばパークス」店を皮切りに、全国4カ所を巡回。この機会にしか日本では見られないヴィンテージココットをぜひご覧になってみてください。
40年前に誕生以来、ピコ・ココットの基本的なデザインはほとんど変わることなく受け継がれています。フラットな蓋の形状や蓋裏のピコがその代表例。創業者のストウブ氏は発売当初から、水分を循環させるアロマ・レイン機能を謳っていました。その料理の美味しさが、伝説的シェフ ポール・ボキューズ氏ら数々の一流シェフに称賛されてきたココット。その歴史のハイライトをひも解いてみましょう。
初代モデル
1978年の冬に発売された初期のピコ・ココットは、誕生の地アルザス伝統の家庭料理にちなんで“Cuisine à la Ferme” (農場での料理)と呼ばれています。トラディショナル、かつ優雅で時代を超えたシェイプを目指しました。コンピューターによる3D技術がない当時、木や金属で模型を作成して開発されました。当時から、ダブルリングを施した平らな蓋や握りやすい取っ手など、すでにストウブの鍵となる要素を備えています。アイコニックなデザインは、当時の姿を大きく変えることなく受け継がれてきました。
カラー・ホーロー加工の始まり
発売後の2、3年はベジタブルオイルを塗っただけのココットでしたが、その後ホーロー加工の開発に取り組み、1980年代初頭、単色または二色のホーロー加工を施したココットが発売されました。ブラウンからオレンジへと色が変化していく二色のココットは、大きな人気を呼びました。
模様
1990年代初頭には、車や鍋に模様をつけることが流行しました。この波に乗り、ストウブ氏はココットの”アルザス生まれ”という特徴をもっとアピールしようと考えました。アルザス・コルマール出身の著名な絵本作家・アンシによる、素朴でカラフルな民族衣装を着た人々の模様は、 “STAUB en Alsace”( アルザスのストウブ)と刻まれたロゴにぴったりとマッチしました。こうしてピコ・ココットは、これまでしまい込まれていた戸棚から、キッチンやテーブルに置かれる存在になったのです。
カマイユ
人気色の移り変わりに伴い、新色が開発されました。二色のグラデーションが美しく調和するカマイユシリーズです。色のコントラストがはっきりしたそれまでのホーローに比べ、より繊細な色の変化を楽しめるのが特徴です。時代を反映したこのシリーズは、蚤の市愛好家の人気の的となりました。
マジョリカ
ストウブを語る時に外せないのが「色の達人」ともいうべきカラー。転換期となったのは2000年、工場の職人が鋳物オーブンの製造技術を鍋に使うことを思いついたのです。以前ストウブはオーブンの製造も行っており、特殊な技法でホーロー加工を行っていました。この技法を活用したマジョリカのホーローは主にガラス質でできており、独特の深みがある色合いでロゴが美しく浮かび上がりました。試作品はほれぼれするような出来栄えで、初代のマジョリカシリーズはあっという間に店頭に並びました。2002年にはオリーブグリーンが登場、その後多くの新色が開発されました。こうして、高級鋳物ホーロー鍋市場でストウブは唯一無二の存在になったのです。
ラ・クーポール
パリで1927年に創業された名高いレストラン、ラ・クーポール 。その建築と装飾は傑作と讃えられ、永きに渡り著名な芸術家達が集ってきた特別な場所です。フランシス・ストウブがここで何か特別なことをしたいと考えたのも当然のことでした。2007年、この素晴らしいレストランの創業80年の節目に、その天井を模したドーム型の蓋を持つラ・クーポール・ココットが誕生しました。
※画像の各ココットは、全て発売当時のビンテージ品です。販売予定はございません。一部展示されないココットがある場合がございます。
長きにわたり愛される、アイコニックなデザイン。ストウブの歩みを伝える貴重なココットを、ぜひご覧になってみてください。
40周年記念スペシャルサイトはこちら→ https://bit.ly/2QpZVVA