CHEF & BLOGGER
2019/02/01
東京ドームで開催された“テーブルウェア・フェスティバル”。2018年は、「フレンチタッチで楽しむ鍋料理」をテーマに、塩田ノアさんがトークとお料理を披露してくださり、大盛況のステージトークを開催しました。(昨年の記事はこちら)
2019年はドイツがテーマ。これにちなんで、六本木のドイツレストラン「ツム・アインホルン」オーナーの野田浩資シェフをお迎えして今年もステージトークを行いました。
野田氏は、ドイツ食文化を日本に紹介されている第一人者。「ビールの国の贈り物」「ドイツ修道院のハーブ料理」など数々の著作も出されています。
今回のトークでは、中世ドイツで多くの修道院で栽培されていたという「ハーブ」に注目。修道女「ヒルデガルド」が研究した薬草を生かす料理を、2品のレシピとともに紹介してくださいました。
日本に滞在するドイツ人から、「もっともドイツの味を思い出させてくれる」と評判の野田シェフ。ドイツ料理というと、重たい・脂っこいイメージを持つ方が多いかもしれませんが、「地域ごとの違いも面白く、それを紹介するのも私の役目」と語っていらっしゃいました。
歴史的なナイフなど、ドイツのテーブルウェアやキッチン事情について触れる一場面も。家庭でもホテルなどでも、ドイツのキッチンはとても清潔に整理されているところが多いそう。綺麗好きの方が多く、キッチンが汚れるので夜は火を使った料理をしない方もいるのだとか。
食材の青空市場についても、「ドイツはハーブや香辛料の種類がとても多いんです」と紹介してくれたシェフ。「香草は香りで選ぶ方が多いと思いますが、それぞれ体に良い効果が。それに注目して選んでみるのも面白いですよ」
例えばバジルは熱があるときに、ディルは神経を癒す効果が。肉料理の飾りなどによく添えられるクレソンは血液の流れを促進し、パセリはお腹が痛いときに。そんな薬効効果もたっぷりの「メバルのバジルクリーム風味」「スペルト小麦とビーツとりんごのサラダ」を教えてくださいました。
(Goldbarschfilet mit Basilikumsauce)
バジルは、カゼに効果的なハーブ。熱っぽいなどカゼが気になる時は、ぜひバジルはたっぷり目がおすすめです。レモンの酸でハーブの色が変わらないよう、加熱するときレモン汁をかけてしまうのがワンポイント。
材料 (4人分)
作り方
1、魚を三枚におろし、レモン汁をかけ、塩とコショウで下味をする。
2、ニンニクとハーブ類を粗めのみじん切りにし、ボールに入れ白ワインを加えて混ぜる。
3、フライパンに油を塗り、魚をのせる。②を加えふたをして、約10分魚に火を通す。
4、魚を取り出し、器に盛りつける。
5、残った汁を半量になるまで煮詰める。
6、生クリームを加え塩とコショウで味を調えて魚の上にかける。
(Dinkel-Rote-Bete-Salat)
食欲のない方には体力をつけるためのおすすめ料理。スペルト小麦は胃腸の働きを助ける最高の穀物です。ビーツは血を作ると言われ、肝臓の弱い方にもぜひ。ドイツでは健康に大変良いと言われるりんご、タイ料理にも使われる生姜に似たガランガー、太陽の恵みをしっかり浴びて他の味も邪魔しないひまわり油など、体に嬉しい食材がぎっしりのサラダです。
材料 (4 人分)
スペルト小麦の茹で方
1、スペルト小麦をたっぷりの水に一晩浸しておく。
2、ザルにあけ水を切り、鍋に入れ1,5倍の水と塩1つまみを入れ強火にかける。
3、沸騰したら弱火にしてふたをし、約20分茹でる。よく混ぜ合わせ10分ほど蒸らす。
作り方
1、ビーツとリンゴを1㎝程度の角切りにし、レモン汁を振る。
2、茹でて冷ましたスペルト小麦をボールに入れ1を加え、ホースラディッシュを加えて混ぜる。
3、パセリとガランガーを加え混ぜる。
4、塩、コショウで味を調え、ひまわり油を加え混ぜ合わせる。
日時:2019年2月10日(日) 11:00~11:30
場所:テーブルウェアフェスティバル アリーナ特設ステージ
https://www.tokyo-dome.co.jp/tableware/27th/stage/
「ドイツの優雅な食卓”キッチンからテーブルまで” 〜ハーブを使った料理のデモンストレーション〜」
ドイツレストラン ツム・アインホルン オーナーシェフ 野田浩資
クラシック音楽の宝庫でもあるドイツ。バッハやシューマンなど、音楽家たちが食べた料理を旅先で味わってみるのもいいですよと教えてくださいました。
シェフのお店では、テーブルをドイツで集めた食器や小物でコーディネートされることもあるのだそう。ドイツ料理に触れてみたくなってしまったら、まずは野田シェフのレストランでその魅力を楽しんでみてはいかがでしょう?
ドイツレストラン「ツムアインホルン」
https://www.zum-einhorn.co.jp/
毎年このイベントでは、各界の著名人によるテーブルセッティングも人気。その中にはストウブも登場しました。
黒柳徹子さん、石坂浩二さんやL’Arc〜en〜CielのTETSUYAさんらの作品が並ぶ中、この空間を手がけられたのは小倉優子さん。
優しく温かみのあるコーディネートに、さりげなくマスタードとバジルのストウブ鍋が。ママらしい、家族の幸せなシーンが浮かんでくるようなコーディネートに、「可愛い!」とたくさんの来場者が足を止めていました。
毎年テーマに合わせた展示やトークが楽しめるこのイベント。ツヴィリングやストウブが参加する機会には、ぜひ会場で楽しんでいただけたら嬉しいです!